アンワインディング

BodyWork
体に蓄積された、心のトラウマ

Myofasial Unwinding

野生動物のトラウマ解決法と人間のトラウマとの違いは?
筋膜に滞っている肉体的、精神的なトラウマを、自分自身の体が解放してゆきます。

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【互いに反映しあう身体と心】

私達の身体は、山、谷、川底、を持つ“地球”のようです。その不揃いな地形は、まるで私達が人生を通 して体験してきた試練や想像的な変化を表す歴史を物語っているかのようです。身体の部分的なそれぞれの特徴は、私達の精神から外へ向かって広がり、肉体を形作り、常に情熱やチャレンジと出会ってゆき、私達自身の性質を反映しています。肉体と精神は互いに反映しあい、人格は筋肉や組織の形態や構成に影響されます。 体は人の性質を反映していると言うよりも、心と体は一体であり“その人そのもの”であると言えるでしょう。ボディーマインド(体と心の繋がり)への気づきは「1つの領域から2つの外観を見ること」「不変の結びつき」「分離できないもの」「常にコミュニケーションをとっているもの」への理解です。体は過去の出来事をなんでも覚えています。 “ボディー&マインドの繋がりを理解する”ことで、過去の記憶を顕わにし、そこから学び、そして行動におこすこ とによって“癒し”がもたらされます。‘何かの匂い’や‘ある特定の音楽’からフラッシュバック現象が起こり、人生のなかで起こった重要な過去のエピソー ドか視覚的、感覚的反応でよみがるという事は誰もが経験しています。強烈な記憶のよみがえりはまるでその事が起こった瞬間のようです。 トラウマになりうる出来事が起こっている瞬間、人々は消すことのできない非常に高いレベルの傷を刻み込まれます。その様な出来事が起こっている間、潜在意識がまるで“その瞬間を凍らせる”ようにそれを封じ込めて自分を守ろうとします。例えば、誰かのいたずらで背後から「ワッ!」とふざけて脅かされると、身が硬直しますが、それのもっと強力なものです。

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【野生動物のトラウマ】

テレビ番組の野生動物の映像などで、小動物が肉食動物に追いかけられている場面 をご覧になったことがあるかと思います。自分をその小動物に置き換えてみてみましょう。野獣に追いつめられたとき、あなたには3つの選択しかありません。生き残る為にはまず「逃げる」事を考えるでしょう。それがダメなら「戦う」という戦略を練るでしょう。そしてそれも叶わないようならば「凍り付いてしまう」以外に道は残されていません。凍り付いてしまうとは“死んだふり”の ことです。ねずみが猫に追いつめられた時に、死んだように固まってしまうときのような状態です。その瞬間、小動物は‘生’の全てを閉じ止めてしまいます。 すると、遊びで追いかけていた猫はつまらなくなってどこかへ行ってしまいますし、食べようとしていたライオンならば死んだ動物はフレッシュではないので身 体に悪いと知っていますから、あきらめて去ってゆきます。 この“凍り付く”動作を使った戦略は成功したのです!小動物は安全を確認すると『ブルブルッ』と身を震わせるとともに起きあがって直ぐに歩きだします。 この“凍り付いた”あとの『ブルブルッ』とする動作は、凍り付いたものを解凍している作業なのです。小動物の気持になってみて下さい。恐ろしい野獣に追いかけられ、必死で死んだふりをして、食べられてしまうところをやっとの思いで回避できたのです。ものすごいエネルギーを身体にため込み身体を硬直させ死んだように見せかけていたのです。そのエネルギーを身体をブルブル震わせる動作によって“放電”しきったとき、小動物達は再び用心深く立ち上がり、歩き始めるのです。動物たちは自分で自分を“癒す”方法を知っているのです。

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【人間のトラウマ】

私たち人間も動物です。しかし現代社会に住んでいる私たちはそのような本能を拒否して暮らしています。私たちも野生動物達のように、天災、人災、交通 事故、人間関係において、精神的に恐ろしい出来事に遭遇します。そんな時、硬直して凍り付くために使った大量 のエネルギーを放電しないでそのままにしておいたらどうなってしまうでしょうか? それらは私たちの中に残存したままになってしまうのです。恐怖の中に封じ込めてしまうことになります。多くの人々は薬を服用してそれを押さえ込もうとしますが、薬物の服用は、小動物が立ち上がる前にするような『ブルブルッ』というトラウマの放電作業を押さえ込む事にもなってしまいます。 これに対抗すべく交感神経と副交感神経の両方が過度に刺激され、バランスを崩して互いに戦おうとしてしまいます。これは「片足にアクセルが、もう片方の足にブレーキがついた状態」で人生を歩むような感覚になります。自分が自分にとても疲れさせられしまうのです。こういった理由から多くの人々が“慢性疲労”を訴えているのです。 凍り付いた“トラウマの放電”をせずにそのままにしておくと、それは「未解決の感情」のエネルギーとして身体に残りますEmotion(感情)はギリシャ語で“to move(動く)”という意味です。感情は私たちを動かす「燃料」なのです!感情をそのまま未解決にしておくと、それは凝固します。この凝固は結合組織(筋膜)を硬直させ、どんなにストレッチをしても固まったままになってしまうのです。時に解放されますが、再び戻ってきます。

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【なぜ人間は動物のようにすぐに反応できないのか?】

人間においてのトラウマは、本能的サイクルを開始することで始まります。凍り付くような“硬直反応”の継続は通 常時間制限があります。動物はその状態へ入り、短期間で脱出します。“恐怖”が終わると動物たちはブルブルッと身を震わせ、発汗し、大きく深呼吸することにより滞った多くのエネルギーを放電します。そして落ち着いた精神状態へと戻ってゆきます。 人間の硬直反応は、過度に充満したエネルギーを“恐怖やトラウマの感情”として神経システムに閉じこめてしまうために、時間制限の間に容易に放電できないのです。この始末に負えない恐怖のサイクルと硬直状態は継続され、自然な解決作である放電反応を防いでしまいます。動物たちの行う「自然な解決」がなされないとき、これらは『トラウマ』の症状として残ってしまうのです。

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【どうすれば解放さるのでしょうか?】

潜在意識に封じ込められてしまった、恐怖の瞬間を、顕在意識(通 常の意識)に浮き上がらせ、それに気づくことです。再び恐怖を感じるのではなく、それを第三者のように見つめて、そして手放してゆく感覚です。 硬直状態の時に感情と共に凝固してしまった『筋膜』を、その時のポジションにもってゆきます。筋膜はまっすぐなシートというよりも、立体的な蜘蛛の巣状になっていますので、決まったポーズはありません。その人が硬直してしまった時の格好ですので、人それぞれですし、沢山のトラウマが蓄積していれば色々な形になります。 すると、軟組織(筋肉や筋膜)が変化し改善するばかりでなく、その時の「記憶、関連する感情、信じ込んでいたこと」などが顕在意識に浮上してきます。「過去のトラウマ的出来事のポジションの再生」を通 して、そのことに“気づく”ことにより、これまで改善を阻止していた“症状や行為様式”についての『隠れた過去の情報』を把握することができます。 心理的に抑圧され、貯蔵されていた情報を意識上にのぼらせ、今までどの様に“停滞した進歩のみられない状態”や“呼吸のパターン”が改善を邪魔していたのか、それは何故なのか、をその『トラウマ的出来事のポジション』になることで学べるのです。過去の感情や隠された情報が蓄積している“筋組織”の解放は『変化や改善』を引き起こします。 ただ“感情を解放”するだけでは十分ではありません。ただ“筋膜を解放”するだけでも十分ではありません。両方ともが同時に放電によって解放されなくては根本的解決にはなりません。ミオファーシャルリリースの考案者、ジョン・バーンズ氏の推奨する『アンワインディング』を行ってみましょう。Unwindingとは“解き放つ”“ほどく”“緊張をほぐす”という意味です。

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具体的にトラウマを身体から解き放つ】
〜アンワインディングの方法〜
《1》好きな音楽などを流しながら行うとよいでしょう。まずは身体に酸素を与える為に深呼吸目を閉じます。行っている途中も息を止めないようにしてください。 《2》自由に自分の身体が動く方向に動いてみます。何も考えずに「自分の身体に起こっている事」や「自分の内側」だけに集中してみてください。基本的なストレッチやヨガのポーズである必要はありません。自分の身体の要求に従って動いてゆきます《3》スティルポイントと呼ばれる“静止地点”にくると身体の動きが自然に止まります。脳と仙骨の間を流れる髄液のリズムがぴたっと止まるとスティルポイントが訪れますが、その事は気にせず、ただ止まりたくなったら止まる感じで大丈夫です。 《4》スティルポイントにいるときのポーズは、上記の“過去のトラウマ的出来事の起こった時のポジション再生”で す。スティルポイントが訪れている時に「過去の出来事のフラッシュバック」や「怒り、悲しみなどの感情」が浮上してくる事があります。その感情や出来事 を、映画を見ているように眺めたり、味わったりしてみてください。恐れる必要はありません。それは“今”起こっている事ではなく“過去”に起こったことだ からです。その時に硬直していた筋膜も少しずつ解放されてゆきますので感じてみてください。解放されるまで体はそのまま2〜10分間くらい、またそれ以上 の間静止しているでしょう。 例 えば、ベットの上でアンワインディングを行うと上半身だけがベットからずり下がったような凄い格好になる場合もあります。胎児のように丸まってしまう時も あります。またトラウマの原因が木から落ちた事だとすると、ベットから落ちてゆくかもしれません。そのような状況でも、自分の潜在意識が無意識のうちに ちゃんと自分を保護していますので、体に力を入れることなく、自分の体の要求に従って動いていってください。 意識上にそれらが表れてこなくても、効果 はあります。身体や心がのびのびしたような感覚になります。時間があれば、毎日でも行うと良いでしょう。

なかなかコツがつかめないという方は、はじめに施術者から誘導を受けると、後から自分だけでやりやすくなるでしょう。

Resources
Barns, John, Healing Ancient wounds :
The Renegades Wisdom, MFR1999
Levine, Peter. Waking the Tiger :
Healing Trauma. North Atlantic Books 1997
Rossi EL. From mind to molecule : a state-dependent memory,
learning, and behavior theory of mind-body healing. Advances1987